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森野司法書士事務所

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自己破産をすると持ち家はどうなるのか?

こんにちは。司法書士の森野です。

自己破産では、裁判所に申し立てて、免責が認められれば借金の返済をしなくてよくなるというのが最大のメリットです。

しかし、価値のある財産については、処分されてしまいます。

では、財産として持ち家がある場合は、どうでしょうか?

そこで、今回は、自己破産をした場合の持ち家について説明していきます。

自己破産をすると持ち家はどうなるのか?

自己破産をした場合の持ち家について、以下で説明していきます。

1.自己破産をすると持ち家は原則処分される

住宅ローンが残っている場合は、債権者によって抵当権が行使され、競売にかけられます。

この抵当権は、破産手続外で行使することができ、住宅ローンの債権者は売却代金から優先的に返済を受けることができます。

住宅ローンが残っていない場合も原則として、処分されてしまいます。

なぜならば、自己破産をすると自由財産以外の財産は、破産管財人に換価され、債権者に配当されるからです。

自由財産とは、以下のような財産です。

  1. 新得財産
  2. 現金99万円
  3. 差押え禁止財産
  4. 自由財産拡張が認められた財産
  5. 破産管財人によって破産財団から放棄された財産

自由財産について、詳しくは以下の記事をご参照ください。

2.持ち家の所有者が持ち家を処分する際の注意点

持ち家の所有者が自己破産をする際の注意点として、以下のようなものがあります。

  1. 自己破産をする前に持ち家を他人名義に変更してはいけない
  2. 持ち家が共有名義の場合

以下で、それぞれについて詳しく説明していきます。

自己破産をする前に持ち家を他人名義に変更してはいけない

自己破産で処分される財産は、破産者名義の財産です。

したがって、持ち家の名義が破産者の以外の名義であれば、持ち家を処分されることはありません。

それならば、「自己破産をする前に持ち家の名義を破産者から他人名義に変更すればいいのでは?」と思いますよね。

このような行為は、「財産隠し」とみなされる可能性があります。

「財産隠し」とみなされると、破産管財人が否認権を行使して、元の名義に戻されることになります。

また、「財産隠し」とみなされると、裁判所に免責不許可事由に該当すると判断され、自己破産が認められない可能性があります。

持ち家が共有名義の場合

持ち家を夫婦で共有している場合も住めなくなる可能性があります。

持ち家を共有している場合は、それぞれの持分は、その人の財産となります。

例えば、夫が自己破産をしても処分されるのは夫の持分であり、妻の持分は処分の対象ではありません。

しかし、夫の共有持分を買った買受人は、その家に住むことも売ることもできないために「共有物分割請求訴訟」を起こされる可能性があります。

「共有物分割請求訴訟」とは、裁判所に不動産を強制的に分割してもらう訴訟です。

具体的には、不動産を売却し、売却代金を持分に従って共有者と買受人で分けることになります。

また、持ち家の住宅ローンが残っている場合は、自己破産をすると債権者が抵当権を実行して、競売にかけて処分されることになります。

この場合は、共有者の持分も一緒に処分されることになります。

3.自己破産をしても持ち家に住み続ける方法

自己破産をしても持ち家に住み続ける方法として、以下のような方法があります。

  1. 家族に持ち家を買ってもらう
  2. 持ち家をリースバックする

以下で、それぞれについて詳しく説明していきます。

家族に持ち家を買ってもらう

家族や親族に持ち家を買ってもらうという方法です。

持ち家を買った家族や親族の了承があれば、そのまま住み続けることができます。

ただし、破産管財人の許可が必要であり、売却価格も適正な価格で売却する必要があります。

持ち家をリースバックする

リースバックとは、不動産会社に持ち家を買い取ってもらい、家賃を支払うことでそのまま住み続けるという方法です。

ただし、破産管財人の許可が必要となります。

4.持ち家を残して借金問題を解決する債務整理の方法

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の3つがあります。

このうち、自己破産をすると、原則として、持ち家を手放さなければいけません。

しかし、任意整理と個人再生であれば、持ち家を残すことができる可能性があります。

以下で、任意整理と個人再生について、簡単に説明します。

任意整理

任意整理とは、裁判所を利用せずに、消費者金融やクレジットカード会社などの債権者と無理のない返済方法について話し合う手続きとなります。

具体的には、原則として将来の利息をカットしてもらい、今ある債務を3~5年で返済できるように交渉します。

また、任意整理では、手続きの対象とする債権者を選択することができます。

したがって、住宅ローンを任意整理の対象から除外することにより、持ち家を残したまま債務整理をすることができます。

個人再生

個人再生とは、裁判所に申し立てることにより、今ある債務を大幅に減額し(5分の1程度)、減額した額を3年分割(特別の事情がある場合は5年)で返済することを認めてもらう手続きになります。

また、個人再生の住宅ローン特則を利用することにより、持ち家を残しつつ、住宅ローン以外の借金を減額することができます。

5.住宅ローンが残っている場合は任意売却も検討する

任意売却とは、自己破産で競売される前に、債権者や連帯保証人と合意の上で、持ち家を売却する手続きです。

自己破産の競売手続きで売却した場合の競売価格は、市場価格の7割程度と言われています。

しかし、任意売却をすれば、市場価格に近い金額で売却することができます。

また、適正に任意売却をすれば、管財事件ではなく、同時廃止になる可能性があります。

同時廃止では、管財事件みたいに破産管財人が選任されないので、管財事件に比べて手続きにかかる費用が安く、手続きの期間も短くなります。

ただし、任意売却をするということは、持ち家を手放すことになります。

もし、持ち家をどうしても手放したくないということなら、その他の債務整理の方法などを検討することになります。

借金のことでお困りならご相談ください

当事務所では、任意整理、個人再生、自己破産のサポートをさせていただいております。

面談させていただいた後、お客様に最適な手続きを提案させていただき、生活の再建のサポートをさせていただきます。

まずは、お気軽にご相談ください。

また、当事務所にお越しになれない方でも出張相談を承っておりますのでご検討ください。

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