2025.8.26
ここでは、引田法律事務所への消滅時効の援用が不成立だった後に、減額一括払いの交渉で解決をした事例を紹介します。
相談から解決までは、以下の通りです。
神戸市のお客様より「引田法律事務所に対して消滅時効の援用をしたい」とお問合せを受けました。
今回は、日本保証の代理人として引田法律事務所から「通知書」が届いた案件でした。
請求額を見ると、遅延損害金等を含めて190万円ほど(元金は46万円ほど)となっていました。
お客様に届いた「通知書」には、「支払の催告に係る債権の弁済期」が記載されており、すでに5年以上が経過しておりました。
そこで、詳しく調べるために引田法律事務所に「受任通知書」を送付しました。
その後、取引履歴が届き、確認をすると、過去に裁判を起こされており、差押えもされていました。
ただし、差押えから10年が経過している状態でした。
したがって、消滅時効の援用ができる可能性があると判断し、日本保証の代理人である引田法律事務所に消滅時効の援用をする旨の内容証明郵便を配達証明書付で送付しました。
内容証明郵便が引田法律事務所に到達してから消滅時効の成立確認をしたところ、再度、10年以内に差押えをしており、時効は完成していないとの反論がありました。
しかし、今回は、差し押さえる債権がなくて執行不能により差押えを取り下げているケースであり、確かに昔の判例で、執行不能で取り下げても時効の中断効はなくならないとしたものもありますが、中断効はなくなるとした判例もあり、争いがあるところである旨の再反論をさせていただきました。
その結果、お客様と相談のうえ、引田法律事務所と交渉をさせていただき、100万円の一括払いで和解することとなりました。
今回のように、差し押さえる物がなくて取り下げられている場合は、時効の中断効が生じるかは争いがあるところです。
もちろん、裁判において、勝てる可能性もありますが、負ける可能性もあります。
そのため、ケースごとに、どこを落としどころとするのか考える必要があります。
どうしたらいいのかわからないという場合は、司法書士や弁護士に相談されることをおすすめします。