再生計画の取消しとは？

こんにちは。司法書士の森野です。

「再生計画は、どのような場合に取り消されるのでしょうか？また、取り消されるとどうなるのでしょうか？」

今回は、再生計画の取消しについて説明していきます。

再生債務者が再生計画に従った返済を怠った場合などには、再生債権者の申立てにより、再生計画が取り消されることがあります。

再生計画が取り消されるケースは、以下のとおりです。

小規模個人再生の場合に再生計画が取り消されるケースは、以下の事由がある場合です。

1. 再生計画が不正の方法により成立したとき
2. 再生債務者が再生計画の履行を怠ったとき
3. 再生債務者の一定の行為について裁判所の許可が必要であると定められている場合に、それに違反したとき
4. 再生計画認可決定が確定した場合において、計画弁済総額が、再生計画認可決定時において破産配当総額を下回ることが明らかになったとき

​上記のうち、２の事由により取り消すことができる再生債権者は、以下の２つの条件を満たす再生債権者です。

1. 再生計画によって認められた権利の全部について裁判所が評価した額の１０分の１以上にあたる再生債権を有する再生債権者
2. 履行期限が到来しているのに履行を受けていないもの

給与所得者等再生の場合に再生計画が取り消されるケースは、以下の事由がある場合です。

1. 再生計画が不正の方法により成立したとき
2. 再生債務者が再生計画の履行を怠ったとき
3. 再生債務者の一定の行為について裁判所の許可が必要であると定められている場合に、それに違反したとき
4. 再生計画認可決定が確定した場合において、計画弁済総額が、再生計画認可決定時において破産配当総額を下回ることが明らかになったとき
5. 再生計画認可決定が確定した場合において、可処分所得の要件を欠くことが判明したとき

上記のうち、２の事由により取り消すことができる再生債権者は、以下の２つの条件を満たす再生債権者です。

1. 再生計画によって認められた権利の全部について裁判所が評価した額の１０分の１以上にあたる再生債権を有する再生債権者
2. 履行期限が到来しているのに履行を受けていないもの

再生計画が取り消されると、再生計画によって変更された権利は現状に復します。

簡単に言えば、減額された借金が元に戻ることになります。

また、再生計画の取消しの決定は、再生債権者が再生計画によって得た権利には影響を及ぼさないとされています。

つまり、再生計画が取り消されても、再生債権者は、一度受け取ったものを返す必要がないということになります。

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